耳標に書いて消えないペンの使い方

前回紹介した耳標に書いて消えないマジック

ぺんてる マジックインキ 極細

ですが、ちょっとした使い方のコツを追記します。

まずは、このマジックの実力の確認。

写真2,3枚目(右上と左下)は記入から6年以上経過したもの

写真4枚目(右下)は5年ほど経過したものです。

これらはたまたま近くにいた牛を撮影したもので、選りすぐっていません。

ハッキリと読めますね!

畜主曰く、10年は余裕で消えも滲みもしないとのこと。

耳標が先に壊れるくらいだとか。

ただ、使い勝手の悪い部分もあるそう。

以下、2つのポイントをご理解の上、採用頂けると良いと思います。

ポイント①

一回目は筆先が細すぎて、すごく使いにくい

グリグリ使い込んで、筆先が潰れるといい感じになるそうです。

コツというより、忍耐が必要ですね。

ポイント②

細過ぎるから二重、三重に書いて太くする必要がある。

細すぎて、筆先を潰しても一筆では遠くから読みにくいため

数回なぞって太くする必要があります。

乾けば10年以上インクは落ちません。

IT化でいろいろ便利にはなっていますが

牛を見て一目で情報がわかるアナログさもやっぱり便利ですよね。

とはいえ耳標が取れたり、糞で汚れてしまえば元も子もありません。

取れてしまった耳標はすぐに再発注しましょう。

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耳標に書いて消えないマジック

耳標に子牛の生年月日などの情報を書き込む農場はあるかと思います。

しかし、そのほとんどが一年ももたずに消えてしまうので

もったいない!

そこで、先日農家さんからもらったこのペン

ぺんてるの「マジックインキ ゴクボソ」

これは耳標に書いてから濡れようが糞尿にまみれようが

消えずに5年でも10年でも

にじむこともなくはっきりと読める状態で残ります!

しかも、同じシリーズのマジックでも「極細」のこれ以外はダメだそうな。

何でもとにかく試して

ベストを模索する農家さんの姿勢に感服です。

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虚弱子牛症候群への輸血

この冬は輸血が少なかったように思います。

点滴するような下痢も、重症肺炎も

例年よりは少ない冬でした。

そんな中で

生後直後から起立不能の和牛子牛(安福久の雌=百万円コース‼︎)

僕が往診したたのは生後4日目ですが、未だ立ち上がれず。

体は大きいが胸腺が小さく、恐らく虚弱子牛症候群(WCS)でしょう。

iSTAT(ポータブル簡易血液検査機)でも低血糖です。

TPやコレステロール値もわかるとすごくいいんですけどね。

輸血が唯一の治療法ではありませんが

この農家は頻繁に往診できる距離ではなく

点滴も遅れたので輸血することに。

話は逸れますが、誠に恥ずかしながら

輸血用のラインを使うという発想を一昨年まで持ち合わせていませんでした。

普通の輸液セットを使用し

固まってしまうから一気にボーラスで入れてしまうという

牛にとって負担の大きいやり方をしていました。

なんと愚かな。

それで死ぬ子牛はいなかったものの、確実に負担を強いていたはずです。

輸血について詳細は過去の記事をご参照ください。

これまで数十頭の輸血をしていますが

やはりクロスマッチテストはせず特に問題ありません。

輸血セットで輸血すると固まらず快適ですね!(当たり前)

今回は350mlを20分ほどで静注
(20滴1mlなら5滴/秒くらいですね)

ペニシリン2ml筋注とデキサメサゾン2ml静注(輸血に混合)

フルスルチアミン50mlも静注

アミノ酸製剤200mlは皮下注

また補助栄養として2日間ミルクに砂糖10g添加してもらいました。
(江戸時代あたりまでは砂糖は病人用の希少な食材でした)

治療翌日には立たなかったものの

2日後には自立し、元気にミルクを欲しがるように!

すっかり元気になってよかったね

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愛娘(牛)の初受胎!

元旦に人工授精を行った自分の牛

先日、授精後27日目での妊娠鑑定で受胎していました!

ますます縁起がいいですね!!

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エコーでの妊娠鑑定については過去にまとめたので

気になる方はこちらをご参照ください。

 

母体の血統は、諒太郎ー安福久ー平茂晴

精液は、美国桜です。

 

本来は採卵を目的としていて購入した牛でした。

高能力・好血統の受精卵を顧客農家に販売移植師し

顧客農家に儲かってもらうための新規事業です。

しかしまずはこの牛が、繁殖能力に異常のない牛であることの確認と

なにより、

自分の牛が産む子牛を見たくなってしまったので

まずは一子を取り上げてから、採卵を始めます。

今から分娩が楽しみ♪楽しみ♪

 

まずは妊娠してくれていて、ありがとう!

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子どもが生まれました。

3番目の子が生まれました。

予定日より17日早く

心の準備も待たずに、つるんと。

 

一昨年

2番目の子、光生を亡くして

それからずっと自信がないというか

恐怖がつきまとっていました。

子どもを育てることに。

ましてや、新生子など。

 

 

昨年

長男にすがりついて生きていた僕たち夫婦は

不謹慎かもしれないと思いながらも

長男に年の近い兄弟がいた方がいいだろうからと

すぐもう一人を産み育てる計画を立てました。

本当に、上の子がいたから出来た決断です。

 

 

今年

日ごとに大きくなる妻のお腹を見て

僕の中にポジティブではない感情も膨らんでいました。

生まれてもいない命に死がちらつくなど

本当に嫌な気持ちです。

それは言葉にもできず

心の中の黒いもやは

大きくとぐろを巻いていました。

 

 

 

でも、

生まれたての赤ん坊を抱きかかえて、知りました。

 

この子は、亡くなった光生ではないのだ、と。

同じことが絶対起こらないとは言えないけれど

光生には短い短い彼の人生があって

この子には全く別の未知の人生が待っている、と。

 

光生の一周忌の際に

彼のたった5カ月弱の生涯について

彼なりに強く生き切ったのだろうと思えました。

ひとつの完結した物語があったのだろう

そんな気がしたのです。

 

それぞれの人生があるのだから

僕は僕に出来ることを一生懸命すればよいのだと思います。

乳児突然死症候群の防止には万全を期すつもりですが

それにばかりとらわれては

次男と三男の物語を乱暴に重ねてしまうことになりかねません。

次男のリベンジのために三男がいるのではないのですから。

 

新たなひとりの人生が始まったこと

ポジティブに伴走のスタートを切れたことに

心から祝杯を!

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仕事はじめ:牛買いました

2020年が始まって丸4日

あけましておめでとうございます、とも聞き飽きた頃でしょう。

今年もよろしくお願い致します。

 

2020年の元旦、最初の仕事は

自分の牛の人工授精でした!

そういえば

そもそも、昨年に牛を買ったことすら

このブログに書いていない…

 

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9月にセリで自分で購入した雌で

12月半ばに1歳を迎え

めでたく、元旦に「初」人工授精!!

縁起が良い!!

今年も良い仕事が出来そうです。

ありがとう、愛娘よ。

 

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まずは一産、子を取り上げて繁殖能力があることを確認します。

 

血統が良いので

分娩後には採卵(子宮内の受精卵を回収すること)して

顧客農家に受精卵移植する予定です。

 

さぁ、仕事の幅が拡がる!

楽しみ楽しみ

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世界に一つだけの牛柄トミカ

3歳になった長男のところに

今年ははじめてのサンタクロースがやってきました!

つい先日の誕生日にトミカの立体駐車場をプレゼントしていたので

サンタさんからはトミカをいくつか。

そんなトミカたちと一緒に入っていたのが

世界で一つだけのトミカ

「父ちゃんの往診車」

嫁の力作です。

このクオリティ、素晴らしい!

長男も喜んでいたし

こりゃ僕も嬉しい!

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33歳、燦燦と。

メッセージを頂いた方々、言葉をかけてくれた方々、ありがとうございます。

33歳と相成りまして

散々な一年になるか

燦々と光る一年になるか

出来れば両方だったら嬉しいなと思います。

 

一度きりの人生、トラブルは多い方がワンダフルというもの。

ほどほどにね。

 

11月には大きなセミナーも複数あり

半年準備してきたイベントもあり

なにより、息子の一周忌があり

ともすれば崩れそうなところを、忙しいおかげで駆け抜けられました。

勝手な僕に協力してくれる妻と息子には頭が上がりません。天国の次男にも。

 

そうしてバタバタと身を整えて迎えた誕生日。

2月にはまた新たな命が我が家に誕生する予定です。

これからの一年もまた家族が幸せでありますように。

 

正直、自分の誕生日など何もめでたいものではないので

10年ほど前から世界と家族の幸せを願う日と決めていました。

そういえば、誕生会をやってもらったときも

僕へのプレゼントのつもりでどこかに募金でもしてくれと言っていたはず。

友達に誕生会などしてもらう事もすっかりなくなり、忘れていました。

もし僕をお祝いしたいと思ってくださる奇特な方がいらっしゃいましたら

義援金などに10円を入れて、こっそり教えて頂ければ僕はものすごく幸せを感じます。

 

アフガニスタンで中村哲さんが亡くなり悲しみに包まれていますが

どうか昨日より明日の世界が少しでも平和でありますように。

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人と動物のかかわりサミット

今月末11月30日@大手町牧場の下
https://www.pasonagroup.co.jp/otemachi_bokujo/

つまり、東京駅前!!

 

【人と動物のかかわりサミット】というイベントを行います!

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人と動物のかかわりについて考え

参加ひとりひとりが自身の認識をアップデートさせる

きっかけとなることを目指すイベントです。

 

パネルトークに登壇される方々はかなり個性的で

他では絶対にみられない顔ぶれとなりました!!

①パートナー編
→キーワード:家族、ペット、動物福祉、殺処分、介護、学校飼育動物・教育
動物介在活動、セラピー、介助動物、街づくり、法律、文化、One Health

②経済・食肉文化編
→キーワード:畜産、酪農、ジビエ・狩猟、培養肉、食文化の多様性
家畜福祉、野生動物、環境と経済、IoT×農業、里山、地方創生

2つのパネルトークはどちらも大変刺激的です。
詳細はまた順次公開していきましょう。

 

 

ぜひご参加ください!!

定員がありますので、早めのお申し込みを!!

下記URLよりお申込みください。
https://forms.gle/sEKcp4UV5frmyL587

 

以下、告知文
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【人と動物のかかわりサミット】

犬や猫などの、人生を共にするペット。自然の中で共存している野生動物。お肉や乳製品として食卓にあがる家畜。日常を振り返ると、私たちはたくさんの動物と関わりながら生活しています。

我々を取りまく環境の変化とともに、人と動物の関わりも、いま急激な変化を遂げています。

今回のイベントでは、様々な方法で動物と関わるフロントランナーをお呼びし、人と動物との関係の最前線をご紹介するとともに、参加者のみなさまのアイデアも交えて、人と動物の関係性のアップデートを試みます!

会場は、東京・大手町の JOB HUB SQUARE 1階。同ビル13階には、都会の真ん中で牛やヤギと触れ合える「大手町牧場」があり、イベントに参加される皆さまは大手町牧場をご見学いただけます。

動物に関心があるみなさま、ぜひお待ちしております!

<こんな人におすすめ!>
・動物が好き
・動物に関わる仕事をしている
・動物に関わる仕事がしたい
・動物に関わっていないけど、これから関わりたい

■日時
2019年11月30日(土)14:00~17:00 (13:00 開場)
※13:00~14:00の間、大手町牧場(同ビル内13階)を自由にご見学いただけます。受付にて入場可能パスをお渡ししますので、まずはJOB HUB SQUAREにお越しください。

■場所
株式会社パソナグループ JOB HUB SQUARE(ビル1階)
最寄駅: JR 東京駅・日本橋口 徒歩2分
https://www.pasonagroup.co.jp/company/map_g.html

■参加費1000円/1人
※大手町牧場見学付き

<お申込み>
下記URLよりお申込みください。
https://forms.gle/sEKcp4UV5frmyL587

■登壇者(予定。順次追加)
・ぎふ動物行動クリニック 院長、NPO法人人と動物の共生センター理事 奥田順之さん
・森林ノ牧場株式会社 代表取締役 山川将弘さん
・中川動物病院 院長、日本獣医師会学校飼育動物支援対策委員 中川清志さん
・Shojinmeat Project 編集長 中塚雄葵さん
・株式会社丹後王国(パソナグループ) 副社長執行役員 宮崎直樹さん
・株式会社クイージ 代表取締役、NPO法人伝統肉協会 石崎英治さん
・株式会社アニスピホールディングス 代表取締役 藤田英明さん

■内容
13:00~14:00
大手町牧場見学(受付後、ご自由にご見学いただけます)
14:00~17:00
パネルトーク①  パートナー編
パネルトーク② 経済編 など

■主催
人と動物の関わりサミット 実行委員会
共催:日本獣医学生協会(JAVS)、NGO Tier Pflanze
協力:株式会社丹後王国(パソナグループ)

【当日についてご案内】
・お子様連れ(ベビーカー)での参加も可能です。
・アイメイト(盲導犬)/サポートドッグ(補助犬、介助犬、聴導犬)の来場も可能です。他の動物への影響を鑑み、大手町牧場へのアイメイト/サポートドッグの立ち入りはできませんので、ご了承ください。
・動物アレルギー等をお持ちの方はご相談ください。

 

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災害と動物と行政サービスについて思ったこと

台風19号「ハビギス」で被災された方々には

心よりお見舞い申し上げます。

 

僕自身は被害はなく無事でした。

しかし、栃木県内では亡くなられた方もおられ

多くのいちご農家が泥に飲まれて壊滅しているなど

胸を痛める話が連日報道されています。

 

あまりニュースになりませんが

知り合いで、牛が流されて未だに行方不明の農家もあります。

牛舎ごと流されて再起不可能という話も数件耳にしています。

残念でなりません。

 

また、川を渡るイノシシの動画が話題になっていますが

河川づたいにイノシシが移動しているとなると

豚コレラが千葉や栃木へ拡散していくことが予想されます。

とくに度重なる被災で疲弊している千葉県の畜産関係者を思うと

この脅威はとても笑えません。

 

動物関連で気になったことがもう一つ。

今回、事前にペットの同伴可能と発表していた避難所で

実際には「連れてこれるが中には入れられない」という対応が複数あったようです。

ペットを連れて避難される方々からすれば「んなアホな」という話で

台風の中、外に放置などできないのだから、結局避難所が利用できないのと同じです。

 

とはいえ、避難所には動物アレルギーを持つ方や

大人しい犬猫にも強い恐怖心を抱く方々もいます。

ストレスのかかる環境で、ペットを避難所に入れるのは難しいのもわかるので

せめて同伴可能とするなら避難所内のエリア分けや

必ずケージに入れて入り口近くに置くなどのルールが必要ですね。

これを機に、ペット連れでの避難のシュミレーションについて

議論がなされればよいと思います。

ペット同伴用、あるいは動物専用の避難所を民間で作り

平時から情報共有されていれば、今後増加するであろう災害に向けて

不安要素が減るのではないでしょうか。

もちろん、人間とペットの両方の防災袋も準備が必要ですね。

参考

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506/ippan.pdf

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/302866.html

 

 

脱線しますが、避難所について

台東区がホームレスの方を拒否した件については論外です。

ペットとは全く違う話。

「納税してない人間は入れなくて当然」という無教養な暴論も飛び交っていますが

行政サービスは資本の再分配のための機能です。

 

個人が嫌だと思ったり、発言したりすることは構いません。

 

しかし行政は、富める者から多く取り、全体に公平に配り直すことが原則です。

多く支払う者から、より良いサービスを受ける「消費者ルール」ではありません。

 

富める者は備え蓄え、自分で好きなように自分を守りながら

さらに納税によって自助の適わない弱者を守るのが公の「市民ルール」です。

 

行政組織が再分配の原則を忘れて

差別意識と格差を再生産してしまったことが悲しくてなりません。

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